2012年02月23日

断片その2

 わたしはお父様にあのメイドと結婚するつもりなのかと尋ねた。するとお父様は笑って
「がいのいどとにんげんは結婚できないんだよ」
でも知っている。フランチェスカが時々夜にお父様の部屋に入っていく姿を見た事がある。きっといやらしいことをしているんだ。


いやらしい雌猫。フランチェスカに一度だけたずねた。
「お父様の部屋でなにしているの」
「あ……メモリのバックアップとらんしの保存を」
「いやらしいことしてるんでしょ」
「お嬢様のためのことでもあるんです」


日に日におなかが膨れてゆく。お父様は「おかあさんのらんしをいしょくしてあるんだよ」

出産の日が近づいた。わたしはとうとうフランチェスカに罵声を浴びせた。
「この泥棒猫!」
フランチェスカは悲しそうに「お嬢様……の弟……ですよ」


フランチェスカのお産は難産だった。フランチェスカの体が赤ちゃんを産むのに耐えきれなかったのだ。
お父様と他のメイド、そしてがいのいど技師が言っているのが聞こえる
「切り開くしかない」
「バックアップしていたメモリは」
「破棄するしかない」」


わたしはフランチェスカが、そしてわたしが好きだったD.839を歌っていた。
posted by tricross at 00:05| Comment(0) | 悪夢は | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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