2009年07月29日

放たれた矢

 SFマガジン2009年8月号掲載 戦闘妖精・雪風 第三部
最終話「放たれた矢」を読む。
 FAFの存在する現実を地球の存在する現実へ収束させるため、
雪風はラムエアモードで"通路"を目指す。
 はたして、勝つのは雪風かジャムか。

 第三部、「アンブロークンアロー」が完結・発売されたが、
「グッドラック」が「改」の内容をくつがえしたように、
「アンブロークンアロー」は「改」「グッドラック」の内容を
くつがえす形で進行する。
 零は地球、人類、特殊戦、フライトオフィサ、そして「雪風」という
存在に対して新しい認識を得、そしてジャムに対して宣言する、
「おれは人間だ」と。

 本作は、ジャムに改変させられた人間の思考の流れを雪風が
利用して戦闘継続しているため、いわゆる神林作品に慣れていない、
「改」や「グッドラック」しか読んだことがない人にはかなり違和感を
覚えさせる作品に仕上がっている。
 思考の流れは饒舌で、1979年の「妖精が舞う」からは恐ろしく
進化・深化した文章になっている。
 しかし、ジャムが人類に宣戦布告したように、零が最終的に
雪風という存在を理解する、という流れにおいては一貫した物語に
なっている。
 「改」で完結していたように、そして「改」&「グッドラック」で
完結していたように、零の話は「改」、「グッドラック」&
「アンブロークンアロー」で完結している、と思う。

 余談。2chで第4部はいつになるのか、とか話が出ているが、
オチのつく話の方がSFではむしろ珍しいのではないか。
「神狩り」とか「百億の昼と千億の夜」など、
神(あるいはジャムのような、神に等しいと思わせるような存在)
相手の戦いでは、その正体を知らせて物語りが終わる話はあまり
読んだことがない。

 「アンブロークンアロー」のハードカバー版、カバーを取ると
格好いい絵が見られるそうですね。いいなあ。
posted by tricross at 22:21| Comment(0) | 戦闘妖精雪風 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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